<概要>
雌のウサギさんでは子宮の病気がとても多く発生します。
一部の報告ではウサギさんの疾患の約1割が子宮の異常であったとも言われています。
治療は後述しますが、手術による卵巣子宮摘出が主となります。
しかし、高齢になって発症した場合麻酔で亡くなってしまうリスクが高くなるため、とても危険の伴う治療となってしまいます。
<病態>
実際の病気としては子宮蓄膿症、子宮内膜炎、子宮水腫、子宮血腫、子宮の腫瘍などが挙げられます。
病態の進行速度は病気により異なりますが、多くの病気が命に関わってしまいます。
<症状>
多くの症状としては陰部からの出血が認められます。
しかし、病気の初期では出血の量が少なく気が付かないことが多く、悪化してから気が付くことが多いです。
また、腫瘍などでは大きくなることで他の臓器を圧迫し、排尿排便困難などの症状が出ることもあります。
<診断>
基本的な診断としては、レントゲン検査や超音波検査、CT検査がとても有用となります。
しかし、それらの検査では確定診断とはならないことが多く、その場合、確定させるためには子宮を切除し病理検査を行う必要があります。
<治療>
基本治療としては問題となる子宮の切除が必須となります。
また、多くは発情周期に関連しているため、卵巣の摘出も必要となります。
麻酔をかけることができない状態の場合は薬(抗生剤、消炎鎮痛剤、止血剤、ホルモン製剤など)による治療が行われますが、効果は弱いことが多いです。
上記の治療により完治することはありますが、治療に危険を伴うまたは効果が弱いことが多いため、若いうちに予防的な避妊手術をすることも選択肢の一つです。