熱中症に関して
連日最高気温が30℃を超えるようになり、本格的な夏の到来をひしひしと感じるようになってきました。この季節ならではの病気のお話をしたいと思います。
犬ちゃんや猫ちゃんも人と同様に気温25℃を超えてくると熱中症にかかるリスクが高まります。また人と違って犬ちゃんや猫ちゃんは発汗による体温調節が出来ないため、実は人よりも暑さに弱く熱中症になりやすい動物なのです。
熱中症とは気温や湿度が高かったり、通気性の弱い環境下において、長時間さらされたり、運動したり、散歩したりすることで体がその環境に順応出来なかった場合に体温が異常に上昇し、脱水し、その結果さまざまな臓器への障害を引き起こしてしまう病気です。重症化すると30~40%程度で死に至る恐れもあります。
どんな犬ちゃんも猫ちゃんも条件が揃えば熱中症になってしまいますが、次に示す注意したい子たちは特に最善の注意を払って暑い夏を過ごしてください。
シニア …体温調節機能が低下している、摂食低下などにより脱水しやすい
短頭種 …呼吸による体温調節機能が元々弱く、熱を逃がすのが苦手
犬)シーズー、パグ、フレンチブルドックなど
猫)ヒマラヤン、ペルシャ、エキゾチックショートヘアーなど
肥満 …増加した脂肪によって体内に熱がこもりやすかったり、首回りの脂肪の圧迫によって
呼吸機能が低下しやすく体温調節が困難
持病持ち…心臓病(弁膜症など)、呼吸器病(気管虚脱、気管支炎など)、腎臓病などにより
呼吸機能が低下していたり、脱水しやすい状態になっている
【症状】
初期症状としては過剰なパンティング(口を開けてハアハアと呼吸する)、よだれ、粘膜の充血、ぐったりなど、さらに重篤化すると嘔吐、下痢、血尿、神経症状(震えやけいれん発作)などを呈します。
【予防法】
・室内温度26℃以下、湿度60%以下に保つように冷房機器をうまく活用しましょう
(要は飼い主さんが快適と感じる環境を整えておくことが大事です)
・暑い中での激しい運動や長時間の散歩は控えるようにし、涼しい時間帯に散歩や適度な運動をしましょう(夕方でもアスファルトはまだ熱がこもっているため注意しましょう!)
・どうしても暑い時間帯に散歩や運動する場合には、体に水道水をかけてあげながら行いましょう
・散歩や運動途中にこまめに水分補給をしましょう
・散歩や運動する場所をなるべくアスファルトより土の部分を選んであげましょう
・車内には絶対放置しないでください
万が一熱中症を疑われる症状が見られた場合には、
体に常温の水(水道水で良い!)をかける
水で濡らしたタオルで体を包んで風を送る(気化熱の利用)
で応急処置を行いながら早急に動物病院にご相談(ご来院)ください。